京都駅はやっぱり面白い

京都駅 設計:原広司(1997)
京都駅 設計:原広司(1997)

赤レンガの東京駅が話題になっている。

この際、JR西日本の誇る京都駅をあらためて見てみよう。

新幹線で京都駅に着くとすぐに駅ビルの裏側が見える。

完成して16年たつが、相変わらず斬新なデザインだ。

単調になりがちなホテルの窓が変化に富んで、楽しそうだ。

小さなパーツが組み合わされて、大きなヴォリュームに密度を与えている。

巨大さと小さなパーツの集積、もう原広司の世界だ。

ホテルの窓の単調なリズムを破る不思議なオブジェ。

ホテル客室のベランダも美しい陰翳のリズムを作り出している。

見ていて楽しい。

ワンポイントで入っているカラーも斬新だ。

室町小路広場の舞台のあたりを見上げる。

中央コンコースのアトリウム。

なんど見てもこの大きさには圧倒されるなあ。

空中の小さなステージが見る者に不安感を与え、空間の大きさのイメージをさらに拡大する。

日本の駅にはかつてないスケールの大きなコンコースだ。

たぶん、世界にも例を見ない大きさだ。

アトリウムの巨大な空間にマンガチックな舞台がトボケた表情で立っている。じつに不思議な造形センスだ。近代技術の頂点を極めた大空間のなかにアフリカの住まいが舞い降りたような対比が面白い。

日本にはかつで存在しなかった171段という巨大な階段ステージ。

イベントの時にはここが客席になる。

駅にこんなものを作るという発想がいったいどこからきたのだろう。

東京駅の建築が人気だが、あれは、単にホテル。市民に開放されているのは、改札口前のドームだけだ。それに対して京都駅は大きな空間が市民に開放されている。

大階段に並行して上昇するエスカレーター。

大階段から舞台を見下ろす。

うーん。どこから見ても劇的な空間だ。

大階段の頂部から舞台を見下ろす。

かなり遠い。

アトリウムの上を走る空中歩廊。

見せ場がたくさん用意されている。

エスカレーターを降りてゆく。

大空間を実感する。

改札口を出てくる人々が豆粒のように見える。

見上げれば、やはり巨大な空間だ。

奇妙な物体だが、上部が舞台になっている。

原広司という建築家の不思議な造形感覚が炸裂している。

まるで劇画の世界のようだ。

これは基本的には駅ビルなのだ。東京駅はほとんどをホテルとしたが、京都はホテルもあるが、大部分を大胆に旅客に開放した。

これは画期的な駅ビルなのだ。

文句なしに面白い。

いろいろ批判もある。コンペの審査には問題があったと言われているが、できてみれば、良かったのではないか。

京都の街並を映し込んだファサード。全体の巨大さを感じさせないさまざまな工夫が見られる。

ガラスの結晶体のような壁面

さまざまな都市的な要素を集約した表情

これが全体のすがた。大きくは3分割されている。左がホテルと劇場の部分、次が巨大なコンコース、右が大階段の部分。

「京都の街のスケールにふさわしくない」「巨大だ」というのが批判の常套句だが、よく見ると、巨大なボリュームを分割し、街にとけ込ませる努力がよく伺えると思うがどうだろうか。

分割と構成、なかなか見事ではないか。

東側のボリューム。やはりなかなかの力量である。

都市建築として、違和感はない。

駅自体が一つの都市という感じがここで見事に表現されている。

上部の巨大な構築物の表現と、比較的小さな人間的なスケールの入口。

入口のデザインは、近代建築のもっとも苦手とするところだ。巨大なボリュームと人間の大きさの極端な乖離を調整できないからだが、この京都駅はそこを上手に解決しているように見えるが、どうだろうか。

モダニズム建築のエントランスとして、非常に珍しい例だ。

中心のもっとも大きなガラスのスクリーン。大きく三分割して空を写している。

京都千年の建築の中で、金閣寺、清水寺などとともに十指に入る名建築といって間違いない。

原広司の建築のなかでも、最高傑作である。惜しみない拍手を送る。

問題はメンテナンスである。

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コメント: 38
  • #1

    ヒラサワ ヒトミ (木曜日, 04 4月 2013 21:52)

    全ての記事を興味深く読みました。
    私は通訳案内士をしておりますので、都内の建築を勉強する目的で、サイトを見せていただきました。このページに載っているものはたいてい観ておりますが、新宿のコクーンビルが載ってないのはなぜなのでしょうか。
    余談ですが、原広司は私の高校の大先輩に当たります。京都駅は賛否両論ですが、褒めていただいてうれしいです。

  • #2

    僕は反対 (月曜日, 11 8月 2014 18:30)

    明らかに京都に似合わない、日本の伝統美を全く継承していないのに、称賛されていることに違和感を覚えます。中身は別にこのままでいいので、外見だけでも伝統的、風情のあるものに変えられないものでしょうか

  • #3

    九州在住の女性です。 (木曜日, 02 6月 2016 22:39)

    確かに伝統美ある京都には違和感を覚えます。

    ただ、駅周囲のビル街は、
    日本一の観光都市なのに耐えがたい景観です。

    駅の設計に否定感情があるのもわかりますが、
    (安藤忠雄氏の設計もみてみたかった。)
    いくら駅を伝統建築にしたって、周りのビル街が悪過ぎます。
    駅より周りを都市計画の見直した方が良いような…。

    二十数年ぶりに半年以内に3度目の京都観光です。
    3度目の1番の目的は駅を見るためです。
    2回目まで駅を観光しようなんて、全く考えていませんでした。
    ただの通過点の場所に過ぎなかったのに、後で強烈な印象が残ってまた京都に足が向きました。

    私にとって、京都駅ビルが有名な神社仏閣に引けを取らないだけの強烈な建造物に思えます。













  • #4

    小玉ミドリ (水曜日, 12 10月 2016 11:33)

    古都の駅に相応しくない乗降客が多いのは解るが和の雰囲気が少しも感じられない?

  • #5

    (水曜日, 12 10月 2016 13:08)

    和の雰囲気ねえ。
    この巨大な駅を木でつくるわけにはいかないし、鉄とガラスとコンクリートで和の雰囲気を作ると、わざとらしいものになってしまうでしょうね。
    京都は昔からけっこうハイカラなものを受け入れてきたのではありませんか?

  • #6

    たこ (月曜日, 31 10月 2016 18:04)

    新国立競技場のデザインが近未来的なザハ案から和風の隈案に変更になったように、日本を代表する建築物に日本らしさを求めたいと思うナショナリズムは自然なものだし理解できる。
    他方、明治期の東京遷都以来、京都は革新性の土壌も常に育んできたわけで、非和風の斬新な建築物こそ現代の京都に相応しいとも思う。
    いずれにしても、JR奈良駅の新駅舎のごとき中途半端なデザインや、#3の人が指摘しているような京都駅前の無個性なビル街こそ批判されるべきだ。
    自分は日本の伝統芸能を深く愛し京都奈良の古刹にも足繁く通っているが、京都駅ビルの突き抜け具合を高く評価している。

  • #7

    高橋 (月曜日, 04 9月 2017 16:31)

    京都駅へは私的に年5 6回延べ7 80回は下車しています。もう15年程前出来て間もない頃、クリスマスのトナカイが大屋根に、ジョンレノンーヨーコの ハッピークリスマスの音楽が流れ、クリスマスツリーとその曲が聞きたくて毎年12月半ばには訪れていました。東京駅にはないオシャレな空間とはなやぎのなかにも心が和んで室町小路の階段で時を過ごす事もありました。
     事情で3年前から行けなくなりましたが地下のレストラン街で夕食をしてたのが懐かしく思われます。   ー青春18切符 ムーンライトながら愛好者 ー













  • #8

    フランク・ゲーリー (火曜日, 12 9月 2017 22:20)

    >明らかに京都に似合わない、日本の伝統美を全く継承していないのに、称賛されていることに違和感を覚えます。

    パリのポンピドゥーセンターって知ってる?

  • #9

    八神 貴洋 (月曜日, 23 10月 2017 19:33)

    ­­

  • #10

    かつお (日曜日, 12 11月 2017 14:00)

    エッフェル塔は当時賛否両論だけど、パリの雰囲気に合わせた建物だから良い。

    ポンピドゥーセンターはでかいけど、パリの景観を損ねるほどでもない。

    大阪駅で京都駅みたいな建物を作るなら良いけど。京都の雰囲気を全く理解していないのが大問題。京都タワーにも言えるが。

    長野駅みたいに善光寺をイメージした造りなら非常に評価されたのに、

  • #11

    H (火曜日, 02 1月 2018 10:10)

    京都駅はだれが見ても違和感がある。
    京都の伝統的な景観が台無しになった。

    最近、東京駅丸の内側や日本橋界隈が再整備されてるが
    きっちり都市計画に基づいているから景観が断然よい。

    建築家の独りよがりの建物は、それに相応しい
    少し離れた場所で競ってもらいたい。

  • #12

    ライカールトン (水曜日, 03 1月 2018 06:20)

    京都駅の風情を考えないで建築された駅を見てみたくて、訪れました。 建築家は、周囲の景観や都市計画、防災基本計画、そして歴史ある街のシンボルとしての位置付けも含まれる駅について、総合的に考えてないといくらコンクリート ガラス ファザード 各構成が成り立っていても、周りの建物から浮いているように感じた。 周囲の街並みや景観に溶け込むなら、いいが、浮いてしまって、1日の乗降客数もそれなりに多い京都。 デザインもそこまで格好良くないし、建築物として箱建築になりすぎている感は、否定出来ない。

  • #13

    烏丸 (日曜日, 25 2月 2018 21:33)

    京都らしさいうよく分からないものはとりあえず置いといて、京都駅のデザインは面白いと思います。

  • #14

    古坂節子 (金曜日, 13 4月 2018 21:15)

    京都伊勢丹デパートの中央階段広場 私にとって何より心癒やされる空間です。理屈抜きで 身を置いているのが好きなんです。
    建築家の原 広司様 ありがとうございます

  • #15

    違和感 (火曜日, 04 9月 2018 17:14)

    駅全体が非常に暗く、利用者には不便が多すぎる。
    京都には似合わないデザインで、何のための駅ビルがわからない。
    変な芸術家を持ち上げるのではなく、利用者の事を考えてほしい。
    ガラスの屋根なんか最悪。今日も落下してけが人が出た。
    安全性なんか、皆無。

  • #16

    利用者 (火曜日, 11 9月 2018 05:03)

    いくら斬新な建築であろうと、フロアの移動にいちいち大回りさせられて面倒極まりない
    あんなに巨大なのに、一番メインの旅客用途には、真ん中部分のせせこましく暗い一階部分と南北横断の二階しか利用されてない
    大階段なんていつも人居ませんよ?
    建造物に後から一々意味付けするのは面白いけれど、個人的には京都駅自体のデザインは醜悪
    次の建て替えが楽しみ

  • #17

    ぶぶ漬けさん (水曜日, 24 10月 2018 21:21)

    地方人はすぐ京都だからといって古さばかり求めるが、
    地元出身者からしたらせめて駅ぐらい新しくていいじゃないか思います。
    地元民はそこが生活の場なので、古いばかりでは不便で息が詰まります。

  • #18

    駅都京 (火曜日, 15 1月 2019 08:09)

    巨大過ぎる、京都の場に相応しくない等々どれもその通りだと思います。ただ、その通りでも良い京都駅は出来たと思います。この駅舎がつまらないのは色使いとモニュメント的な装飾・デザインの収拾のつかなさ(個々は面白いとしても)に尽きると思います。東京国際フォーラムの様にビル都市の中に埋没させれば小川様の評価につながるのではないでしょうか。京都でありながら醜悪な周囲のランドスケープを取り込むような設計をして欲しかったと考えます。

  • #19

    京都地元人 (月曜日, 25 2月 2019)

    京都駅を毎日利用する者にとって、この上なく不便な建物です。
    人の流れを全く考慮されていないし、通勤ラッシュの時間帯以外でも人が流れないのです。
    そもそも、トイレが少なすぎます。基本的な思いやりがない設計を褒められるとは、驚きです。

  • #20

    小川格 (月曜日, 25 2月 2019 21:00)

    それは貴重なご意見ですね。「基本的な思いやりがない設計」というのは重要なご指摘だと思います。こういう具体的なご意見は勉強になります。こんどご指摘の点を確認してきたいと思います。

  • #21

    もくご (月曜日, 25 2月 2019 21:56)

    私は京都駅の建物がすごく好きです。京都に住んでいる人間としては、確かに移動が面倒だなと思うことはありますが、それに勝るワクワク感があります。
    京都の伝統を引き継いでいないという意見が多く見られますが、それは『京都』という場所の本質を無視しているように思います。京都に多くの素晴らしい文化遺産が残っているのは京都が日本の『首都』であった歴史が長いからです。文化の中心地だからこそ人々の様々な知恵、経験を集結した立派な建物がたくさん作られました。つまり、京都に日本のどこよりも新しい建築を作るというのは京都が『文化の中心地である』という本質を継承していることに他ならないと思います。伝統を引き継ぐというのは単に昔の意匠を取り入れることだけではないと私は思っています。稚拙な文章ですみません。

  • #22

    腹ヒロシ (火曜日, 16 4月 2019 22:29)

    今の京都駅は京都の玄関口にふさわしくない
    景観ぶち壊し
    現代建築としても構造的で不合理で醜悪
    土建が盛んな田舎立つ美術館か学校が
    京都の玄関口に立っている感じ
    歴史と景観を無視した無意味に自己主張する
    醜悪な建物を早く取り壊してほしい

  • #23

    小川格 (火曜日, 16 4月 2019 23:04)

    パリにエッフェル塔ができたときも、ちょうどこんな意見が沢山わき上がりました。醜悪だ、パリにふさわしくない、という意見です。たしかに古いパリの建築とはまるで違うデザインです。しかし、どうでしょうか。いまでは、パリの象徴としてみんなに愛されているのではありませんか。

  • #24

    京都在住 (金曜日, 11 10月 2019 14:36)

    京都に住んでいて通勤先が京都駅近ですが
    正直景観に関しては問題はないと思います。
    京都駅がなくても京都駅が見える周辺は古い建物が密集しているところは殆ど無いです。
    利便性としては南と北を行き来するのが京都駅の地下か2回を抜けるか、京都駅自体をぐるっと廻るかしなく多少不便です。
    しかし私個人としては大階段の横のエスカレーターがすごく好きです。向きを変えずに上へ上へ行けるのは開放感と特別な感じがするからです。

  • #25

    s.i papa (月曜日, 14 10月 2019 09:20)

    京都駅の存在感は賛否両論だと思います
    あまりに個性的に走り過ぎかも知れませんね
    大階段は確かに迫力があります、ただ何度もイベントで行きましたが、天候に左右されるのは残念な所
    雨が降り出したら悲惨なものですし、風が吹き抜けるのも限度がありますね、強風に近い風が吹き抜けます
    中央エントランス部も、雨降り時には足を取られ、危険な事も多々あります
    ホーム間の移動も二階中央通路、もしくは地下通路しか無く障害者の方にとってはとても苦労されています、EVの場所も分かりにくい、そしてWCの少ない事、ここでも障害者用WCが少ないし分かりづらい
    遊び心をちりばめて、超近代建築ですと言われるのは構わないのですが、弱者も含めた全ての人が安心して京都駅を利用できる物であって欲しいと思います、
    後、ガラス部を多用されていて、見た目綺麗と写りますメンテナンスが大変だと思います、しかし、それが売りであるなら、マメなメンテナンスや補修を心がけて頂きたいですね、個性的な建築って大変だと思います
    建築家ではありませんので専門的な事は分かりません
    日頃、利用する一市民の目線から書かせて頂きました

  • #26

    fulafff (火曜日, 26 11月 2019 04:23)

    初めての京都入り、朝だったので少し時間が空き、駅を見物して回りました。
    私はやはり大きな駅のある京都と同じくらいの人口の街で生まれ育ち、関東暮らしが長いですが、こんな駅は観たことがなかった。
    都内の増改築を繰り返した複雑怪奇、意味不明かつ生活感丸出しの駅と違い、メッセージのある整理された巨大な空間を歩きながら、様々な場所から見える巨大な伽藍、山々に京都に来た実感を感じました。
    そして屋上の公園からの遠く宇治まで見通せる眺望、見える方向全てに、何らかの2つと無い存在がある光景を見て
    京都はただ古いだけの都ではなく、土地選びも街づくりも含めて、なんらかの意志を伝える意図を持って設計された、古くからこの国の文化発信の地であった、
    という力を感じました。
    その後、美しい自然に溶け込みかつ街づくりに資すべく配置された古刹名刹を見て回りましたが、
    この駅の印象からか、全てが当時は最先端の文化であり、日本という国が出来る過程でそれらがどんな存在だったのか、
    映像作品や電子情報で、世界に新しい文化を発信し続ける古都京都の力を改めて感じました。
    私にとって、京都を楽しむ第一歩になりました。
    動線の問題は新宿や東京に比べても中央にわかりやすく改札があり地平ホームで動きやすく、感じませんでしたが、トイレはたしかに少なかったのかな…。

  • #27

    仲美津 (月曜日, 09 12月 2019 19:59)

    京都住民が求めていない京都らしさは幻想。
    一つの意思が京都駅をつくる意味は大きい。
    巨大さは感じない。
    全体像が把握できないいらだちがある。巨大だからこそ人の意識の連続に建築はほしい。

  • #28

    ぶーにゃん (火曜日, 10 12月 2019 21:53)

    京都駅に降り立ち、こんな駅もあるのか?!と、寺を訪ねに立ち寄ったはずの者が駅にくぎ付けにされました。
    駅の構造、周囲とのあれこれ、その辺は解りませんが、こんな素敵でワクワクする駅を利用出来る方々が羨ましく思えるのですが、、、

  • #29

    TNF (火曜日, 19 5月 2020 08:14)

    京都在住です。京都駅凄くモダンで気にいってます。誰が設計したのか気になって調べてみたらこのサイトに行き着きました。(^^)

  • #30

    餃子 (土曜日, 12 6月 2021 13:50)

    まだ数えるほどしか京都に行ったことがありませんが、京都の玄関口である京都駅は、とても開放感があり、すてきだなと思いました。バスや電車で移動すれば駅とはガラッと変わる京都がとても好きです。また行きたいなあ

  • #31

    他地方民 (木曜日, 17 6月 2021 02:17)

    交通結節点であり利用者も多いので、確かに利便性が低いという指摘は問題かもしれませんが、動線が考慮されていないとかトイレが少ないとかはどの主要駅にも言えることで、京都駅だけの問題ではありません。景観についての指摘は、京都駅舎よりも周辺の無個性な住宅地や雑居ビルの方が問題かと思います。

  • #32

    菅原 (水曜日, 14 7月 2021 22:20)

    国立新美術館、京都駅、九州国立博物館のような圧倒的な大きさを感じる建築は見ていてワクワクしてしまいます。
    設計する人に、生きるエネルギーがないと作れないのかなと。
    京都に相応しいか、設備として整っているかは分からないけれど、高い所からエスカレータで降りながら駅舎全体を眺める時間、外側のガラスに映る京都タワーと青空を見る時間は気持ちが子供のようになります。
    以前京都に住んでいたので、懐かしく読ませて頂きました。

  • #33

    意地悪京都人 (月曜日, 11 10月 2021 18:35)

    数年前、大阪駅ビルが新しくなった時、テレビのレポーターが大阪駅を歩いている京都のオバチャン二人ずれに「京都駅、大阪駅 どっちが良いですか?」との質問にオバチャンは「初めは京都駅はモダンすぎていややなこんな無粋なモンと思ってたけど段々馴染んできてかっこよろしいと思います。やっぱり駅は京都液!」だって。京都はタイガイどんなモノでも受け入れられる器があって、南禅寺境内の赤レンガ水路橋もフランスのデザインだとか。そんなところです。

  • #34

    しがない京大生 (日曜日, 31 7月 2022 01:40)

    古都の景観が云々とおっしゃる方は、正直京都のことをよくご存じないのではないかと思います。
    すでに何人もの方がご指摘の通り、京都駅前は無個性なビル街であり、また駅舎の大きさも周辺の建物と比べて数十メートル高い程度です。そもそも京都駅は元々市街の周縁部を選んで建設されたもので、今でも京都駅は市の中心からは外れた場所にあります。例えばパリは数多くの歴史的建造物による美観を誇っていますが、そのパリも中心から外れたところに行けばモダンな駅舎や高層ビル群を見ることができます。むしろ歴史的な景観と現代都市としての機能を両立することを考えれば、周縁部の現代化というのは都市の景観に対して決して悪いばかりではないはずです。
    京都なのだから和風の意匠を、というのも、貴方の思う「京都らしさ」を押しつけてるだけではないでしょうか。たしかに観光地としては伝統的な街並みや古刹が有名ですが、京都は日本有数の大都市でもあります。明治以降、帝都としての地位を失った京都は近代化を積極的に進め、その痕跡は今も市内に数多くみられます。いまわれわれが京都に対して抱く「古都」イメージも、実のところこうした近代化の中で(具体的には岡崎で行われた内国勧業博覧会とそのパビリオンである平安神宮を契機として)生まれたものです。烏丸御池に足を運べば、そこには高さ規制のおかげでスカイラインの整った現代的なオフィス街を見ることができます。京都会館や国際会館といった戦後モダニズムの傑作についても、言うまでもないでしょう。京都は決して「和風」なだけの街ではなく、こうした多様性と重層性を含んだ街です。
    われわれは京都を「千年の都」と称えます。千年、それは単に古いという意味でなくして、千年の積み重ねのその上に今我々が立っている、ということなのだと思います。我々に求められているのは伝統的な文化を守りつつ、その上に新たな文化を積み上げていくことではないでしょうか。

  • #35

    のは伝統的な (月曜日, 31 10月 2022 09:23)

    京都なのだから和風の意匠を、というのも、貴方の思う「京都らしさ」を押しつけてるだけではないでしょうか。たしかに観光地としては伝統的な街並みや古刹が有名ですが、京都は日本有数の大都市でもあります。明治以降、帝都としての地位を失った京都は近代化を積極的に進め、その痕跡は今も市内に数多くみられます。いまわれわれが京都に対して抱く「古都」イメージも、実のところこうした近代化の中で(具体的には岡崎で行われた内国勧業博覧会とそのパビリオンである平安神宮を契機として)生まれたものです。烏丸御池に足を運べば、そこには高さ規制のおかげでスカイラインの整った現代的なオフィス街を見ることができます。京都会館や国際会館といった戦後モダニズムの傑作についても、言うまでもないでしょう。京都は決して「和風」なだけの街ではなく、こうした多様性と重層性を含んだ街です。
    われわれは京都を「千年の都」と称えます。千年、それは単に古いという意味でなくして、千年の積み重ねのその上に今我々が立っている、ということなのだと思います。我々に求められているのは伝統的な文化を守りつつ、その上に新たな文化を積み上げていくことではないでしょうか。

  • #36

    なっちょ (日曜日, 04 12月 2022 20:24)

    京都に嫁いで30年、夫は祇園生まれの祇園育ち生粋の京都人、夫婦共々京都駅はとても気に入っています。
    「古都にふさわしくない、京都らしさが感じられない。」などと言われるのは、ほとんどが他の地方の方々なのでは?と思います。
    勝手な京都らしさを押し付けないで欲しいと思います。
    京都人は昔から新しもの好きと言われます。
    多種多様な文化を受け入れてきた気質があります。
    巨大な京都駅、いつ行ってもワクワクします。

  • #37

    小川 格 (日曜日, 04 12月 2022 20:35)

    祗園生まれの祗園育ちの生粋の京都人から、こんなコメントをいただけるなんて、嬉しいですね。設計者に代わって、お礼を申し上げます。おおきに!
    「いつ行ってもワクワクします。」
    素晴らしい言葉ですね。ありがとうございます。

  • #38

    いいだじん (金曜日, 21 4月 2023 22:24)

    ハラさんが高校時代を過ごされた伊那谷に来て、日本という山岳国の立体的な空間というもののスケールというものを体験してみてくださいな。

案内する人

 

宮武先生

(江武大学建築学科の教授、建築史専攻)

 「私が近代建築の筋道を解説します。」

 

東郷さん

(建築家、宮武先生と同級生。)

「私が建築家たちの本音を教えましょう。」

 

恵美ちゃん

(江武大学の文学部の学生。)

「私が日頃抱いている疑問を建築の専門家にぶつけて近代建築の真相に迫ります。」

 

■写真使用可。ただし出典「近代建築の楽しみ」明記のこと。