慶州市内から20km、山際に点在する民家群が突然目の前に現れた。
前夜からの雪に覆われてうっすらと雪化粧した、実に美しい幻想的な風景だ。これが良洞民俗村だった。
民家160棟がそのまま保存されているという。そのうち54棟が瓦葺き、110棟が藁葺きである。
煙があがっているのは炊事をしているに違いない。そう、ここは日本の民家村と違い、実際に住んでいる村をそのまま博物館にしてしまったものなのだ。庶民の家は藁屋根、豊かな家は瓦屋根と、はっきり目に見えて階級の差が表現されている。
良洞村には二つの名家が500年にわたって共存しているそうだ。
24戸は文化財として公開されているが、その他は人が住んでいるので、普通は内部は見られない。
屋敷と一体化した樹木の奔放な茂り方、感動的である。植木屋さんが切り詰める日本の庭と全く異なる樹木への接し方。韓国人の自然観が伺える風景だ。
高台にある立派な家だ。今年初めての雪に薄化粧されて、なんとも美しい光景だ。
敷地の高低差に従ってうねうねと続く塀。柔らかな曲線が興味深い。
瓦屋根の棟をはじめとして直線がない。すべてが曲線だ。
谷をはさんで望む民家の遠景。
幾重にも重なる波打つ甍の波。
民家のオンドル部屋だ。小さい入り口はキッチンへの出入り口。日本のように6尺、3尺のモジュールがないので、必要に応じて開口部の寸法を決めるので、高さがまちまちになる。
オンドルの焚き口。
林の中にたたずむ小さな民家。
慶州のコモドホテルのロビー。
このホテルでは特別にオンドル部屋を予約した。まるで和室のようだ。床は黄色い油紙が敷かれているが、やや固い。外は相当冷え込んできたが、室内は空調がないのにオンドル特有のやわらかな暖かさ。
部屋の隅に置かれたタンス。
タンスの中に3人分の寝具が入っていた。ここが和室とは違うところだ。和室なら押し入れがあるところだ。
家具はすべて低い。和室のような雰囲気だ。このホテル、6階建ての客室のうち、オンドル部屋は1フロアのみ。あとは普通の客室だ。
ホテルに泊まるたびに空調に苦しまされるが、空調のない暖かさは、すばらしい。理想的な暖房だ。
ひょうたんの柄杓で自家製のマッコリをどうぞ。
夜はやはりマッコリでホッコリしましょう。
慶州の夜はこうして更けていったのでした。
コメントをお書きください
kenichi kojima (水曜日, 02 1月 2013 11:41)
雪景色がきれいですね。
瓦屋根がそりがあるのにたいして、藁葺き屋根がムクリに似た柔らかさがあるのが不思議ですね。
永田 八朗 (火曜日, 22 1月 2013 13:23)
私は5月に良洞民俗村へ行きましたが
雪景色の良洞民俗村は素晴らしですね
ご一緒出来なかったのが 残念です