表参道の原宿近くの交差点、最も注目を集める場所に面白い建築が誕生した。それは、樹木の生い茂る天空の城ラピュタが地上に舞い降りたような印象だ。
全体の形は、コンクリートや鉄、ガラスという従来の建築のイメージを否定したようなユニークな形だ。いったいどう理解したらよいのか、手がかりがないように見える。
極端にいえば、巨大な植木鉢!
6階の屋上にお客を呼び込むのは普通は困難だ。しかし、ここでは、あえて、屋上庭園を主役として、建築全体をデザインしている。屋上庭園のある建築ではなく、屋上庭園をテーマとした建築だ。
外観がそれを真っ正面から表現している。人はまっすぐに屋上庭園を目指して入ってゆく。ではそこまでのフロアはなにか、そこは、各階に店舗を入れたありふれたショッピングモールだった。
たしかに屋上庭園は人でにぎわっていた。まさかここにこんな自然があるなんて想像できない。人々は十分楽しそうだ。
ル・コルビュジエは屋上庭園を提唱した。しかし、ここまで屋上庭園を主役にした建築が現われるとは思わなかったにちがいない。
エコが、緑が、声高に叫ばれる時代の、新しい屋上庭園かもしれない。
屋上の樹木が生い茂る10年、20年後に完成する建築なのかも知れない。その時が楽しみだ。
「東急プラザ表参道原宿」設計:中村拓志
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コジマケンイチ (金曜日, 19 10月 2012 19:00)
ここのスタバでのんびりするのは、なかなか気持ちの良いものですね。
建築としてどう評価するかはさておき、都会ど真ん中にこうゆう場所が増えてくれると良いと思います。